東洋医学で学ぶ消化を司り、梅雨に関係する脾の働き。

東洋医学は陰陽五行学説に基づいて、さまざまな事象を判断しています。
五行の属性に基づき、五臓も分類され生理機能のほか、病理など判断します。

今回は、消化を司り、梅雨に大きく関係するについてお話しします。

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脾とは

脾臓とは、西洋医学的には古い血液を漉して循環させる働きを持つ臓器ですが、東洋医学的な脾とはちょっと異なります。

今回お伝えするのは東洋医学的な脾についてですので間違えないでくださいね。

脾は五行では土に属し、乾燥を好み、湿を嫌う性質があります。
中国では夏の後、長夏という日本でいう梅雨のように雨が降り続く季節が続きます。

木火土金水の順でいくと、春に当たる木の次は火なのにもかかわらず土に飛んでしまうのは、中国の気候のためです。

夏は湿度も高く、また、気温も高い日本では、梅雨〜残暑にかけて脾が大きく関係すると考えていただければと思います。

脾の働きとは

それでは、脾の働きについてお話しします。

脾の働きは大きく分類すると3つ。

  • 運化
  • 昇清
  • 統血

です。

それでは、それぞれ説明していきます。

脾の働き:運化を司る

運化とは、運は運ぶを意味し、化は転化を意味します。
すなわち、消化・吸収・代謝を表します。

脾は食ベ物を消化し吸収して全身へ運びます。
脾の運化作用がなければ、せっかく食べても吸収されず排出されてしまいますよね。
水穀精微(消化した栄養素や水分)をエネルギーへと変化させることから、後天の本とも言われます。

脾の運化機能が弱まると、消化機能が弱まることから胃もたれや下痢、または便秘になるほか、エネルギーを体内に巡らせることができないので、疲れやすくなります。

水分代謝を司るのも脾の運化作用です。
運化作用が低下すると、余分な水分は体内に溜まってしまい、湿や痰飲など病理物質を生じ、むくみとなります。

脾の働き:昇清を司る

とは、のぼると読みますね。
脾気は上へ上昇する性質を持ちます。

は水穀精微など栄養物質のことを指し、昇清とは、消化吸収した水穀精微を脾気により上昇させ、全身へと運ぶ作用です。

昇清機能が弱まると、消化吸収したエネルギーを全身へ運ぶことができないので、めまいや頭のふらつき、脱力感を起こしやすくなります。

また、エネルギーを全身に運ぶだけでなく、臓腑を正常な位置へ持ち上げているのもこの脾の昇清機能。

昇清機能が弱まると胃下垂や腹部の膨満感、おりものがふえたり、水のような下痢を起こしやすくなります。

脾の働き:統血を司る

統血とは、血を統べると書きますね。
脾は血が脈外へあふれ出るのを防いでくれます。

血があふれ出るってどういうこと?!と想像しづらいかもしれませんが、簡単に言えば不正出血のこと。

血便や血尿、生理がダラダラ長引いてしまったりするのは脾の統血機能が弱っているためです。

歯槽膿漏などの歯茎からの出血もこれに当てはまると言われています。

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脾に関連するもの

五臓を表とするなら、六腑は裏とされています。
また、五臓に関連するからだのいろいろな部位、そして精神をも含めた系統があります。

脾に関連する口・涎・肌肉・唇・意・思・甘について、お話しします。

口・涎について

食べ物は口で食べて、脾で消化吸収され運搬されます。
そのためか、脾の調子は口や涎に大きく作用しています。

口唇の色艶は気血の状態をあらわしています。
また、味覚は脾の運化と胃の状態を表すバロメーター。
食欲に関しも同様に、異常に食欲がある or 食欲がないなんかも脾に関係します。

甘いものを食べすぎたり、辛いものを食べすぎたとき、口の中が荒れた覚えはありませんか?

また、飲みすぎた次の日は口がやけに乾いたり、ねぱっこかったりするのも脾が不調を訴えているためです。

肌肉・唇について

脾は肌肉(きにく)を養います。
肌肉とは漢字の通り、肌・肉のこと。

手足の末端まで栄養が届くのは。脾の働きがあるからこそ。
脾の働きが衰えると、食べても栄養が吸収できずに痩せ衰え活力のない状態になってしまいます。

また、唇も肌肉の一種。
唇が腫れたり、切れたりするのも脾の問題です。

意・思について

とは「思う」とか「覚える」を意味し、単純な記憶や思考を含んだ”こころ”のことです。
これがダメになるとこころが落ち着かなくなり、考えがまとまらなくなります。

とはものごとを工夫して考える”こころ”のこと
思いわずらったり考えすぎたりすると気の流れが停滞し、脾にダメージを与えます。

頭がいっぱいになるほど考え事があると食欲がなくなり、なにもする気が起きなくなっちゃうのはこのためです。

甘について

五臓は五味と関連し、甘は脾に属します。
甘い味は体を補い、滋養があるものが多く、食べ物を調和させたり、体を緩める効果があります。

適度に取ることで、ストレスが多い現代社会に疲れた体を癒してくれますよ。

だからとって、食べ過ぎは禁物!
過度の摂取は脾の働きを低下させるほか、太りやすくなります。

脾は気血の源。しっかり食べて毎日ケアを!

東洋医学をかじっていると「脾=消化器系」と考えてお終いになりがちです。

確かに消化吸収を司る大切な役割をしている臓腑なのですが、脾は食べ物から水穀精微を生成し、体にエネルギーを運んでくれます。

脾は気血の源です。

疲れているときこそ、しっかりとご飯を食べ、無理をせず、脾を休めてあげましょう。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

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